ワインのぶどうは水が大嫌い。
絶対洗わないんです。
皮の外についたミクロの生き物が、果実の中の糖をお酒に変える「自然の営み」が、ワインをつくります。
雨が降ったり、洗ったりして糖分が水で薄まっては困るんです。
ぶどうを潰すだけでお酒に。だから、畑の環境そのままがワインのボトルに詰められます。
でも今、世界中の畑のぶどうの木は化学肥料で人工的に育てられています。
もはや昔ながらの土地特有の味わいは失われつつあるのです。
そしてひよわになった木への病気対策に、せっかく撒いた肥料を横取りする雑草への対策にと、農薬や除草剤が多用されています。
さらに、いなくなった微生物を補う合成酵素や、地域や品種特有の香りを求める愛好家達を満足させるための香料。
ごまかしの着色料、酸味調整剤。これらはボトルに表示せずに使われます。
そして遠くへ楽に、安く運ぶための合成保存料(*1)も...。
愛好家は合成で付けた香りや、味わい、うその色みを楽しんでいるのかもしれません。
くどくて喉を通したくないワインがあります。
ワインが体に合わないと思っている人が日本にはたくさんいます。
翌日のおかしな頭痛は大量の化学物質の仕業かもしれません。
ヨーロッパでは、ワインは水のように、牛乳のように、日本の夏の麦茶のように、毎日たっぷり飲まれているのです。
なんだかおかしい!!!
ヨーロッパでは、本来のワインづくりを守る動きがはやくも1960年代から始まっています。
そして、オーガニックワインのきびしいオーガニック認証ルールが始まりました。
ぶどうづくりでは有機肥料だけで土づくりし、化学肥料や農薬を一切つかいません。*2
その土地の自然の力を最大限に引き出した美味しいぶどうだけを使います。
醸造では香料や着色料、合成酵素などの添加は禁止。
保存料*3は昔ながらの硫黄を燃やしたガスだけが少量認められています。
オーガニック認証ルールによって多くの生産者にオーガニックワインづくりが広がりました。*4
オーガニックワインはぶどうそのものの力と、本来のワインづくりを守っていきます。
だから、ヨーロッパのオーガニックワインはデイリーユーズにしたいピュアなもの。
心地よい飲み口で翌日に残らない、体にやさしいワインです。
栓を抜き、空気と馴染むにつれて本来の香りと味の変化が楽しい*5ゆっくりつき合いたいもの。
じゃまなものが入っていないからいろいろな素材と調和し、和、洋、中なんでもひきたてます。
デリケートでこわれやすいワインだから、生産者が自分でボトルに詰め、ていねいに定温で輸送、保管*6してそのままあなたの食卓へ。
あなたの心とからだに本物のワインを。
生産者達の願いが届きますように・・・。
本物のワインの美味しさを知って下さい
あなたの体、あなたの食生活 私達日本のワイン文化へのメッセージです。


*1 甘い!日本の保存料基準[ワイン1L中の亜硫酸塩含有含有規制値]

消費時における二酸化硫黄総量の制限
フランス
オーガニックワイン
EU基準ワイン(822/87)
日本の通常ワイン(厚生省)
二酸化硫黄の種類

硫黄を燃やした気体の
吹き込み

既定なし
既定なし
赤ワイン
80mg/l
160mg/l
350mg/l
白ワイン並びにロゼ
90mg/l
210mg/l
350mg/l
フランスのオーガニックワインは日本の規制値のおよそ1/4となります。
この他の合成保存料「ソルビン酸」は発ガン性があるといわれながらも日本では
200mg/Lとの規制値です。

*2 化学肥料や農薬、除草剤を使用しない期間は3年以上、また、他の有機でない畑との距離も定められています。近辺に有害物質を排出する施設や高速道路がないことも条件とし、徹底的に化学物質からぶどうを守ります。

*3-1 保存料無添加のワインの美味しさに疑問
保存料を使用していないための一手段として、ミクロフィルターを通して発酵や熟成などに関わる成分を完全に除去し、ワインの変化をとめる技術があります。ただしこの方法では瓶内での自然な熟成が進まず、ワインの複雑な美味しさに関わる大切な成分までが失われているようです。
*3-2 意図的に混同?保存料の表示
昔ながらの硫黄を燃やした気体「二酸化硫黄SO2」と、化学的に合成された「メタ重亜硫酸カリウム」のどちらも同じ亜硫酸塩との表示です。粉末状の後者は液体中で化学変化をおこしてSO2を生成。効果が高い反面大量摂取で頭痛の原因になるなど、有害視されています。

*4 世界をリードするヨーロッパの有機認証制度
1980年、世界に先駆けてフランス農業基本法に有機の定義が明記されました1991年には、欧州委員会の認証基準指令に基づき各国で有機認証のシステムが動き出しました(日本の法令化は2000年から)。多国間で通用する制度を採択したことで多くの消費者が安心して商品を買えるようになり、ヨーロッパに有機食品が普及する大きな要因となりました。

*5 香料添加ワインは抜栓直後から強く不自然な香りが立ちあがり、その香りが変化せずに残ります。

*6 船便でワインはアラビア湾やインド洋など、40℃を超える熱帯の旅をします。オーガニックワインのためには、定温輸送し定温倉庫で保管する環境が必須です。


★オーガニックワインとその他のワインの比較
オーガニックワイン 無添加ワイン 一般ワイン
土づくり
化学肥料を使わず、
しっかり耕す
化学肥料も使用 化学肥料も使用
病害虫対策
被害枝の切除 農薬使用 農薬使用
雑草対策
鋤きこんで緑肥に 除草剤使用 除草剤使用
ぶどうの状態
根が深く張り、ミネラル豊富 根が張らず、個性が乏しい 根が張らず、個性が乏しい
醗酵
表皮の天然酵母が
自然醗酵を進める
酵素を使用、
醗酵を人為的にコントロール
精製酵母を使用、
醗酵を人為的にコントロール
衛生管理
厳密 厳密 厳密ではない
保存料
硫黄を燃やした
気体の吹き込み
定義ないが、添加無しと思われる メタ重亜硫酸カリソルビン酸など
香料
不可 不明 使用していることが多い
調味料
不可 不明 使用していることが多い
着色料/色度安定剤
不可 不明 使用していることが多い
フィルター
粗フィルターまたは不使用 ミクロフィルター使用 粗フィルターまたは不使用
ビン内熟成
熟成する 熟成せず劣化のみ 熟成する保存料が多いと熟成は弱い

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